覚悟 (かくご)
手術前の各種検査
とにかく手術前はいろいろな検査が必要だ。私の場合直腸ガンということもあって、直腸の近くには子宮や膀胱やとにかくいろいろな臓器が至近距離にあるため、そっちへ浸潤していないかを見ておいたほうがいいということで、通常の検査にプラスして婦人科検診もやることになった。婦人科検診は痛かった。またもや大泣き。直腸MRというのは楽だった。よくTVとかでも見るやつで、大きな検査機器の中にずずーっと入っていくやつだ。自分はただ台の上で寝ていればいい。しかし、まさか検査前に痛い注射を打たれるとは思っていなかったので、それがショックだった。
検査の中での最大の難関は大腸内視鏡であった。1月17日の記事に、いかにアメリ [… 続きを読む]
国立がんセンターでの初診
初診にこぎつけるまでにいろいろとエピソードがあるのだが、ここではそれは割愛する。とにもかくにもある方々のご尽力のおかげで、日本帰国早々にガンセンターでの初診を受けられることになった。まさかガンセンターの診療券を自分の名前で作ることになろうとは夢にも思わなかったが、実際診療券を手にして、自分のガンとの闘いが今日から始まるのだなという、何か覚悟みたいなものが芽生えた。と同時に、ホテルみたいな病院を目にし、自分の家から近く(なんと徒歩でも20分くらい!)、こんな素敵な、そしてガンに関しては日本で一番のところに罹れることに喜びを感じた。恵まれた環境にあるなーと思った。そしてここで治せないのならもうあき [… 続きを読む]
初めて救急車に乗った
ガンを宣告されたその日に帰国を決断、3日で荷物をまとめて日本に帰る準備を整えた。前々から帰ることが分かっていたのではなく、普通に生活していた人がある日突然3日後に帰りなさい、と言われたようなものである。引越しの手配、車の処分、賃貸契約及び公共料金その他もろもろの解約など、目が回る忙しさだったが、それでもけっこうなんとかなるものだなと思った。大腸内視鏡で全部出すものは出してあったおかげで、私の体調もこの3日間だけはさほど悪くはなかったので、本当に助かった。それにしても、今回は長くアメリカに住むつもりで高級家具をそろえたので、それをすべて無料であげてしまうのはなんとも悲しかったが、もうムービングセ [… 続きを読む]
果敢なる挑戦
タイトルを見て、「おっ、今日は何に挑戦したんだ?」と期待した方も多いはず。もちろん私にとっては大いなる挑戦なのだが、内容はたいしたことではない。ごめんなさい、先に謝っておきますね(^^;)。
さて、その果敢なる挑戦の内容とは・・・お風呂場でのエネマ(=コーヒー浣腸)!でも笑うことなかれ。挑戦して失敗したらそれはもう大変なことなのだから。ここ2日間どうしたのか、今日も昨日同様、便の出が悪かった。よって今日も再びエネマのお世話になることにした。ただ昨日と違うところは、いつもトイレでやるところを、今日はお風呂場での注入を試みたのだ。というのも、以前ブログで液がうまく注入できないという話を書いたところ [… 続きを読む]
ノー泣きの日々
毎日体調記録をつけている話は前にしたが、今日それを眺めていてふと気づいた。そういえば最近泣いてない・・・!!記録によると、最後に泣きが入ったのは5月25日であった。まさにあのボルタレン(ロキソニンより強い痛み止めの薬)をもらいに病院へ行った前日、すなわち一日中ベッドで泣いていた日だ。しかもその頃はほぼ毎日泣きが入っていた。
しかしその日を最後に、今日まで一度も泣いていない(泣きそうになったことはあるが、とりあえず涙は出ていない)。3週間泣きが入っていないとはすごいことだ。これを見ただけでも、いかに生活の質が改善したかが分かる。あえて「快方に向かった」と書かず「生活の質が改善した」と書いたのは、 [… 続きを読む]
ボルタレンを初めて飲んだ日
予想通り今日もつらいつらい試練の一日であった。昨日の夜も痛くて苦しくてほとんど寝られなかった。朝の散歩にはとりあえず出たものの、すぐに苦しくなって家に帰ってきた。トイレで踏ん張ったが出なかった。
朝ごはんを食べ、お風呂に入り、エネマの準備。ここまではまあまあ落ち着いた時間を過ごしていたが、ここからがまさに死闘であった。便が詰まっているためか、エネマの液もほとんど入らない。当然便意はあるので力むが、どんなに力んでもほんの少ししか出ない。トイレに1時間こもっていたので、気力も体力も消耗しきってしまった・・・。
ここまではまったく昨日と同じパターンだったので、今日は迷わずボルタレンを飲んだ。ボルタレ [… 続きを読む]
死闘3日目
予定通り!?死闘3日目に突入した。今日も朝の散歩には出たものの、15分も経たないうちに便意をもよおし家に帰ってきてしまった。でもやはり出なかった。朝ごはんを食べずに、すぐにお風呂に入り、とりあえずいちじく浣腸を試した。30分粘ってようやくほんの少し出たが、焼け石に水程度。昨日同様、ボルタレンを飲み、効くまでの間痛みに耐えた。今日は昨日よりはましだったので、大泣きはしないですんだ(笑)。
もうこの時点で昼近くになっていた。さすがに観念してアメリカの大腸内視鏡をやったときの下剤をとりあえず規定の量(=内視鏡検査をやるときの3分の1)飲んだ。ああ、こんなことなら昨日のうちに飲んでおけばよかった(^^ [… 続きを読む]
ガン克服に欠かせないにんじんジュース
昨日寝たのが結局夜中の3時だったので、最初から朝の散歩と朝食はあきらめていたが、いつも1時間ごとに目が覚めるところ、昨日は2時間おきだったので、かえっていつもより眠ることができた。しかし今日も朝から一日痛みとの闘いであった。排便しては痛み、痛みが落ち着いてくると食事の時間、食後は決まって圧迫痛、圧迫痛を解消するために排便、そしてまた通過痛、落ち着いてくるとまた食事の時間・・・今日もこの繰り返しであった。まったくいやになってしまう。 よってまた [… 続きを読む]
祈るけど期待しないのがコツ
昨日の夜は徹夜覚悟だったのだが、予想外に痛みが3時ぐらいに落ち着いてくれ、まあまあ眠ることができた。せっかく幸先の良いスタートを切ったのだが、今日も便秘は解消されず・・・。しかもいつも以上にガスが出なくて、一日中おなかが張って苦しかった。(今もものすごく苦しい・・・) 最近はコーヒーエネマを昼と夜の2回行っているのだが、やはり人間の身体として排便の時間帯は午前中なので、夜のほうは出ないことが多い。だから最近は、う○ちが出ることを祈りはするが、 [… 続きを読む]
野菜で季節を感じる
いつも野菜を送ってくださるS氏からのメールにこう書かれていた。
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キュウリ、なす、トマトはもう終わりました。
冬瓜、ゴーヤ、ピーマン程度しか送れなくなりました。
さつま芋が採れるまで、暫くお休みです。
いつも同じ物ばかりで申し訳ありません。
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退院しました!
みなさんにはご心配をおかけしましたが、本日無事退院しました!
10月18日の午後にっちもさっちもいかなくなり主治医に電話、入院準備をして来るように言われ、救急車で聖路加国際病院に緊急入院しました。入院とは人工肛門の手術をすることを意味します。かなり迷いましたが、もうこれ以上我慢することは不可能と判断し、覚悟して病院へいきました。そして翌日の19日に人工肛門造設手術を受け、現在はストーマ生活を送っています。ストーマ生活は、複数の人がおっしゃていたように、自分が思っていたほどいやなものではないな、というのが現時点での正直な感想です。ただし、まだたかだか2週間ぐらいしかたっていませんし、外出もしてい [… 続きを読む]
とうとう入院
注:10/18から11/2までの記事は退院後に書いています。
13時起床。便がほとんど出なくなってから10日経ち、起きて早々に圧迫痛あり、さすがにもう限界のようだ。まだぎりぎり数日ぐらいなら我慢できそうではあるが、話したり考えたりできる余裕があるうちに主治医とコンタクトしておいたほうがよいと思い、聖路加に電話した。すると主治医は私の話の様子から、今すぐ入院の準備をして病院へ来るよう言った。入院とはすなわち人工肛門の手術を意味する。多少覚悟はしていたものの、まだ今日の段階では診察してもらってそのことについて相談するぐらいだと思っていたので、あまりの急な話に少々度肝を抜かれた。しかし、もう10日が [… 続きを読む]
水分摂取開始。無料個室へ移動
今日から水分の摂取が解禁になった。とりあえず500mlのペットボトル1本まで飲んでよい許可が出た。硬膜外麻酔の中止により痛み止めの量が減ったのと、腸の動きが少し活発になってきたことから、今日はかなり腹部及び仙骨付近が痛む。よってプッシュしまくりだった。プッシュとは、点滴につなげられているモルヒネの注射器をプッシュすることである。1回プッシュすると1時間早くモルヒネを体内に注入することになるので、痛みが強いときは看護師さんを呼んでプッシュしてもらう。1時間に1回までを限度としてプッシュが認められているのだが、今日は痛みがかなり強く、1時間持たないぐらいであった。
昨日ほとんど一睡もしていないので [… 続きを読む]
国立がんセンターでのセカンドオピニオン
今日は国立がんセンターでのセカンドオピニオンだった。ちなみにセカンドオピニオンをお願いしたA先生は、2月に最初の手術をしたときの私の執刀医である。今日は主人にも一緒に来てもらった。通常の外来は一人で通院しているが、大事な話を聞くときは複数の人間で聞くようにしている。そうでないと、聞き間違えたり、聞き逃したり、主観が入ったりして、医者が言ったことが正確に伝わらないことがあるからだ。
今日のセカンドオピニオンはとても有意義なものであった。主人も同様に感じたようだ。やはりガンのことはガンの専門家に聞くのが一番と感じさせられるものがあった。A先生はぶっきらぼうで一瞬冷たい感じがするが、説明はうまいし、 [… 続きを読む]
オストメイト(ストーマ保有者)のための便利グッズのご紹介
<写真の説明>何に使うかお分かりであろうか?ストーマの処理をするときにあるとすごく便利なものである。 今日はオストメイト(ストーマ保有者)のための便利グッズをご紹介しよう。それが写真のものなのだが、ストーマの処理をするときにあるとすごく便利だ。夏は裸になれるのでストーマ処理も楽だが、冬は寒いのでそうはいかない。トイレで排便処理をするときやパウチの交換をするとき、さらに私の場合はコーヒー浣腸をするときに着ている洋服を [… 続きを読む]
効く人には効くんだなあ・・・
去年の夏ごろだったと思うが、友人から米国ワイオラ社のNCDというサプリメントを紹介されたことがあった。購入する前にネットでリサーチしたところ、腫瘍が1ヶ月で消えたという体験談があった。もちろん宣伝記事の可能性が大いにあるのでそれだけでは私も信用しなかったのだが、その友人自身がNCDを飲んで2週間で扁桃腺の腫れが引いた実績を持っていたので信じることができた。そしてどの体験談も割りと短期間で効果が出ていたので、もし本当にそうなのであればものすごいことである。私はまさに目の前に救世主が現れたような気持ちになり、早速購入して飲み始めた。これで私も1ヵ月後にはガンが縮小し痛みから解放されているんだ!!と [… 続きを読む]
早寝早起きを主人と約束
毎日「今日こそは早く寝るぞ!」と思っているのだが、結局ふたを開けてみると1時だの2時だのになってしまう。昨日もブログを書き始める時点ですでに1時半を過ぎていたので、ブログをお休みしてしまった。別に私は働いているわけではないので基本的にはそう早寝早起きできないからとカリカリする必要はないのだが、一つは先日も書いたように人間の免疫は23時から3時の間に活動が活発になるので、その時間帯は寝ているのがいいということがある。それ以外には、やはり世間の普通の人たちの生活に合わせないと何かと支障が生じるということがある。両親が週に3日手伝いに来てくれているのだが、やはり私がこういう生活をしていると食事の時間 [… 続きを読む]
大変革のためただいま苦しんでいる真っ最中
<写真の説明>母の友人がくださった夏みかん。自宅の庭でこんなりっぱなものを収穫できるとは、なんと羨ましい環境なのでしょう! この2日間私はかなり苦しい生活を強いられており、その状態は今もなお継続中である。昨日も今日も一日中痛くてまったく動けず、正直身体も精神もボロボロだ。今日はさらに痛みが強烈で、信じられないことにレスキューを1時間ごとに3回飲むという事態にまで発展した。それでも痛みはとれず、しかも夕方 [… 続きを読む]
昨日はいろいろなことが起こった
<写真の説明>テニス部の集りで、岡山の美術商に嫁いだ友人が自分のところで扱っている備前焼の素敵なお皿をプレゼントしてくれた。こんな素敵な器に盛ったらどんなものでもおいしそうに見えるね! 今日はいつも通りの体調&生活に戻ったが、昨日はいろいろなことが起こった。 まずは緩和ケア外来でのこと。いつもは自宅から聖路加病院までのたった10分弱の徒歩で、痛くて歩くのがしんどいということはあっても疲れるということはなかった。しかし昨日は [… 続きを読む]
ステント留置したものの結果が思わしくなく・・・
おとといに、私としては死ぬ覚悟でステント留置に挑み、これでほっと一安心と思っていたのですが、本日の血液検査でクレアチニンの値がさらに悪化していること、および、尿量に改善が見られない事から、せっかく入れたステントがまったく機能していない事が分かりました。で結局、一番恐れていた腎ろう造設を避けられない事態となってきました。病院側の都合もいろいろありますからしょうがないのでしょうけど、今朝の血液検査の結果を報告するその場で、今日の午後に腎ろうの処置を行うと言われたものですから、これまた私としては拒絶反応を起こしてしまい、絶対に今日の処置はしないと言い切ってしまいました。そのやりとりをしていたのが、午 [… 続きを読む]
人生の引き際を考えてみました
父の友人が有名ピアニスト中村紘子のサイン入りのCDを早速に贈ってくれました。 いきなり衝撃的なタイトルから始まりましたが、寧ろこういう事は気力があるときでないと冷静に書けないものです。実は昨日の朝の回診で、久し振りに担当の先生の口からIVHという言葉が発せられました。常にその可能性は付きまとっていますので別段驚くことではないのですが、昨日の場合はあまりにもタイミングが悪く、折角少し気分が良くなっていたのに、またもやどん底まで突き落とされてし [… 続きを読む]
恐る恐る食事を開始しました
緩和ケア病棟ですっかり親友のような関係になったNさんから戴いた手作りのアクセサリー。遠くから見るとどこかの高級ブランドの物にそっくりなような・・・(笑) 丸々二週間完全に水分だけで過ごした私は完全にカロリー&パワー不足に陥いっておりました。もうこれ以上食事を食べずに過ごす事は不可能と感じた私は、食事開始を先生に強く依頼する事にしました。先生は例えポタージュスープのような物でも腸閉塞が治っていない現状においてはかなりの負担になり、詰まる恐れがあるあるいは痛みや吐き気を引き起 [… 続きを読む]
浮腫が解消されるどころかひどくなるばかりでブルーです・・・
<写真の説明>趣味で日本画を習っている叔母がくれました。おかげで病室がさらに明るくなりました。ちなみにモデルは私ではありません(^^)。 毎日このひどい浮腫をどうすれば解消できるか考えている私ですが、相変わらず原因も分からず、しかもどんどんひどくなっていくばかりでブルーになっています。先週末は確実に月曜日から利尿剤を開始しようと思っていたのですが、そういう時に限って尿量が増え始めよい兆しが見え始めるので、ま [… 続きを読む]
退院が延期となりました
<写真の説明>我が家の幸福の木に花が咲きました(^^)。幸福の木に花が咲くのは珍しいそうです。私に幸福が訪れるという予兆だと思いたいのですが、現実は悪いニュースばかりで・・・ぐすん・・・。 私があまりにも退院を嫌がったからこんなことになってしまったのでしょうか。4連休前に採尿した検査結果で緑膿菌とMRSIが検出され、昨日39度の高熱を出しまして、再び抗生剤の点滴が始まってしまいました。私はどうも抗生剤という [… 続きを読む]
何とかチャンスを生かしたいのですが無理そうで・・・ぐすん・・・
<写真の説明>ボランティアHさんが私のために尿バッグカバーを作ってくださいました。素敵な生地とデザインはさることながら、四つ葉のクローバーの刺繍が心憎い演出です(^^)。しかも私が日曜日に退院予定だったので、わざわざ土曜日に自分の担当曜日でないのに届けてくださって、本当に心から感謝しています。ありがとうございました。 金曜日の夕方、処置自体はさほど大きなものではありませんが、私の人生においては一大事とい [… 続きを読む]
結局お小水が出ないまま迎えた週明けの心境を綴ります・・・
<写真の説明>ゼミの先輩が素敵な花束をナースステーションに預けていってくださいました。花束とお気遣いをありがとうございました。 ただいま月曜日の朝7時半、結局お小水が出ないまま迎えた週明けの心境を書いてみようと思います。腎ろう造設するかどうかはこの週末のお小水の出具合が勝負の鍵だったのですが、結局私の願い届かず・・・現時点ではやはり腎ろうは避けられそうもありません・・・。判断の指標に [… 続きを読む]
左の腎臓を見捨てることになりました・・・
<写真の説明>先日と同じ幸福の木の花のアップ写真です。幸福の木への私の願掛けはまだまだ続きます・・・。 悩みに悩み抜いて決死の覚悟で申し出た左腎臓の腎ろう造設でしたが、医師の判断は意外なものでした。私はてっきり先生から「よくぞ決心しましたね」などと言われてすぐにでも処置が行われるものだと思っていたのですが、先生からは左腎臓の腎ろう造設は行わないと言われました。感染症が全身に回ってしまうリスクと処置に伴う [… 続きを読む]
一か八かの賭け。とうとう点滴を拒否!
<写真の説明>高校テニス部一同からいただいたプリザーブドフラワー。右上に小さく写っている青リンゴがポイントです(^^)。 前回、最近点滴が入りにくくてホトホト嫌気がさしているということを書きましたが、とうとう我慢の限界が来てしまい、点滴を拒否する事態になってしまいました。しかも点滴の拒否は抗生剤の投与をも拒否することになりますから、私にとっては一か八かの賭となります。そもそも現在の入院目的は、抗 [… 続きを読む]