西洋医学に見放され、余命1年の宣告にも負けず、自己治癒力で勝負しています
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とうとう入院

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注:10/18から11/2までの記事は退院後に書いています。

13時起床。便がほとんど出なくなってから10日経ち、起きて早々に圧迫痛あり、さすがにもう限界のようだ。まだぎりぎり数日ぐらいなら我慢できそうではあるが、話したり考えたりできる余裕があるうちに主治医とコンタクトしておいたほうがよいと思い、聖路加に電話した。すると主治医は私の話の様子から、今すぐ入院の準備をして病院へ来るよう言った。入院とはすなわち人工肛門の手術を意味する。多少覚悟はしていたものの、まだ今日の段階では診察してもらってそのことについて相談するぐらいだと思っていたので、あまりの急な話に少々度肝を抜かれた。しかし、もう10日がんばった。自分の身体を信じてがんばったが、今回ばかりは私の身体もそれに応えてはくれなかったので、これ以上待っても状況を悪くするばかりだと思った。

電話を切ってからしばし悩んだが、家族からの説得もあり、私もとうとう覚悟を決めた。歩いていこうかと思ったが、主治医から救急車で来ても良いと言われたこともあり、かなり歩くのもしんどかったので、救急車を呼ぶことにした。人生二度目の救急車だ。アメリカであれば有料だから(しかも保険なしでは15万円ぐらいかかる!)絶対に歩いていったであろうが、日本は無料だから気安く呼んでしまう。利用者としてはもちろんお得だが、税金で賄われていることを思うと、やはり気安く利用できすぎるのもいかがなものかと思った。タクシー代わりに利用する人も多いと聞くし、やはり救急車は有料化すべきだと私は個人的に考えている。あるいは、基本は有料で、利用後に利用者の状況から(救急車を本当に必要としていた場合に)無料にしてあげるとか、そういう策をとったらどうかと思っている。

ちょっと話が横道にそれたが、とにかく救急車を利用したことが、予想外のメリットを生み出したのだ。それについては後ほどお伝えしよう。

救急センターに到着後、すぐに点滴をつけられた。この時点から一切食事及び水分の摂取を禁じられた。なんだかおなかがすいてきてしまい、ああ、こんなことであればりんごでも食べてから来ればよかったと後悔した・・・(^^;)。

主治医のO先生による診察の結果、腸閉塞を起こしているとのこと。とりあえず今日の緊急手術が必要かどうかの判断だけいち早くしたかったようだ。結論は、緊急手術は必要ないが、遅くとも明日の手術は確定となった。この10ヶ月、腸閉塞だけは起こさないようにとがんばってきたが、その願いは叶わなかった。心のどこかで「私だけは大丈夫」と思っていたが、そうではなかった。開腹手術を受けた場合、腸閉塞を起こす確率はけっこう高いとは聞いていたが、ちゃんと運動もしていたし、まさか私がなるとは思っていなかったのでものすごくショックだった・・・。人工肛門になることの悲しさとともに、10ヶ月の努力が報われなかったことへの無念さから涙が出てきた・・・。

一般病棟へ移動後、早速尿道カテーテルを入れられた。少し痛かった。点滴をつけられ、カテーテルを入れられ、採血され、ものすごい勢いで病人の生活にさせられていく。着々と明日の手術への準備が整えられていった。それに比例して私の人工肛門に対する覚悟も次第に出来上がっていった・・・。

今回の入院は二度目だし、この10ヶ月で私にもかなりの知識がついたため、前回のがんセンターでの入院状況といろいろ比較できて面白かった。よって施される処置に対しても、前回はわけも分からずされるがままであったが、今回は「なぜこれが必要なのか」とか「このようにしてくれ」とかいろいろと質問したり注文したりできた。

病院の生活は相変わらず騒がしい。医者は診察や挨拶でひっきりなしに訪れてくるし、夜は夜で1時間おきにナースが点滴交換に来るので、結局この日は一睡もできなかった。それにそもそもおなかが痛くて寝るどころではなかった。やはり限界であった。もうこの時点での私は、正直一刻も早く手術をして欲しいという気持ちになっていた。どっちみち人工肛門になるのであれば、もうこれ以上待つ必要はない。一刻も早く手術をして楽にして欲しい、そう願うばかりであった。

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(237) 早速リハビリ開始
(238) 主人と父に泣かされた事件
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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!