西洋医学に見放され、余命1年の宣告にも負けず、自己治癒力で勝負しています
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主人と父に泣かされた事件

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何も食べていないのにけっこう便が出てくる。要するにこれは手術前に溜まっていたものだ。そうそう、手術のときにいったいどうやってあの大量の便を出すのかといらぬ心配をしていたが、聞くところによるとストーマを創設した後そこから出したそうだ。想像するだけでも恐ろしい光景である(^^;)。手術時にかなり出したと聞いたが、それでもまだこうやって毎日けっこう便が出てくるのだから、相当たまっていたのであろう。そりゃそうだ、10日間ほとんど出なかったのだから。

まだ喉は痛いが声はかなり出せるようになってきた。よって自然と会話も弾んだ。私が泣かされたのは、父と主人とちょうどストーマについて話をしていたときである。以下がその会話の内容だ。

主人:「これからは便を気にしなくていいからどんどん外出できるね」

私:「でもおならが出ちゃうからお芝居やクラシックコンサートには行けないね・・・」

父:「別におならぐらいいいじゃない」

私:「さすがに静かなところだとそういうわけにもいかないよぉ」

主人:「中国人なんて平気でブーブーやってたじゃん」(確かにアメリカのデパートで目の前でまったく気にせずブーブーやられたときは目が点になった)

私:「でも私、中国人じゃないし。ここは日本だし」

父:「そんなのこっちが気にしなければ他人は気にしないよ」

私:「だから私が気にするんだってば!」

主人:「いいじゃない、中国人になれば」

私:「だから私は日本人なんだってば!!」ここで怒りの涙が出てくる。「無責任なこと言わないでよ!!そんな簡単なものじゃないんだから!しかも私は女性なんだから!!」

声を荒げたら身体に変な力が入ってしまい、おなかが痛くなってしまった。痛くなったので余計に涙が出てきた。しかし泣くとかえって痛みが増幅するので、深呼吸をしてとにかく落ち着くように努めた。「もう二度と今日みたいな勝手なこと言わないでよね!」と最後に一言釘を刺し、本件については終わりにした。これが「主人と父に泣かされた事件」である。このとき思ったのは、やはり他愛のない会話の中で、知らずに人によってはものすごくその人を傷つけていることがあるということである。普段の私であれば、恐らくこの程度の話なら笑い飛ばしていたであろうが、やはりかなりナーバスになっていたのであろう。笑い話として処理するには内容が重すぎた。

今日は身体を起こす回数も格段に増え、TVを見る時間も長くなった。しかし正午に硬膜外麻酔をストップした影響がちょうど夜中に出てき、痛みが強くて再び一睡もできなかった。これで一つ学んだが、硬膜外麻酔をストップする時間は考えるべきだと思った。ちょうど半日後ぐらいに影響が出てくるので、夜寝る直前ぐらいに抜いてもらうのがベストだと思うが、それが無理ならせめて朝一番で抜いてもらうことをお勧めする。そうでないと私のように夜眠れないという事態になってしまうからだ。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!