西洋医学に見放され、余命1年の宣告にも負けず、自己治癒力で勝負しています
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バリアフリーの必要性を痛感

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手術後2日目、ようやく立ち上がることができた。足を少しずつずらしながらなんとか前へ進む。その遅さといったら、亀どころではない。足をずずーっと前へ10㎝ぐらいずらすのに30秒ぐらいかかるのだ。だからほんの数メートル歩くのに、何十分もかかる。それでも歩かないよりはいいということで、何十分もかけて身体を動かした。家族が一緒に付き添ってくれたが、恐らく普通の人からすると、とても歩いているとは思えないであろう。ほとんどただそこに立っているのと変わらないのだから。でも本人にとっては、ものすごい痛みと闘いながら、ものすごくがんばって歩いているのだ。私はとにかく痛みに弱いので、痛み止めを何度も追加注入してもらった。

看護師さんが体重を計るため体重計を持ってきてベッド脇に置いた。立ち上がることはできるものの、どうしても足を体重計の上に乗せることができない!!たったの5㎝なのに!!どうがんばってもその5㎝の台の上に足を持ち上げられないのだ。このときにバリアフリーの必要性を痛感した。平坦であればなんとか足をずらして歩くことができるが、5㎝の段差は乗り越えることができない。普通の人なら5㎝なんて段差のうちに入らないと思うが、いざ病人になってみると、いかにその5㎝が大変な障害なのかということを思い知った。

とりあえず術後2日目は、まだ食事も出ないし、尿管を通しているからトイレも自分で行くことはないので、歩いたことだけでも十分目標達成できたと言える。というわけで、痛みと闘いながらも、達成感ですがすがしい気持ちになっていた。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!