最近に限らず前からコメントとして多くの方からいただいた言葉、そして母にもよく言われるのが「もう少し肩の力を抜いて、気楽にやっていったら?」という言葉である。自分ではけっこう気楽にやっているつもりなのだが、やっぱり傍から見るとそうは見えないのであろう。生真面目でストイックで合理的で・・・そしてそれによって自分をときには追い込んでしまう・・・。自分としては自分が自分を追い込んでいるとは思っていなかったのだが、最近そうなのかもしれないと思うようになってきた。肩の力を抜く必要性を感じるようになってきた。
しかし一方で、別の考えもまだ存在しているのも否めない。ある番組で世界的なイリュージョニスト引田天功が言っていたのはまさにその逆で、レポーターが成功の秘訣について尋ねたところ彼女はこう答えた。「肩の力を抜かないこと」。世界の激しい競争に打ち勝つためには、常に肩の力を抜かず150%の力を出してやっていないと負けてしまうと言っていた。やはり実際に競争に打ち勝って実績を残している人の言葉は説得力があり、これはこれで納得する部分が大いにあった。
またガンの闘病生活を始めたばかりのときに、主人が私にこう言った。「みづきのような末期ガンを克服するためには並大抵の努力では克服できない。のんびりと効果を精査している時間なんてないし、力を抜いている暇などもない。とにかくいいと言われるもの/思われるものはすべてやって、全身全霊を賭けて取り組まないと負けてしまうよ。ガンはそんなに簡単に倒せる相手ではない」と。まさにそうだと思った。だからこそ今まで常に肩に力を入れてがんばってきたのである。
また先日このブログに登場した33歳の女性も、どちらかというと常に150%の力でがんばっているタイプの人であった。彼女は私以上にストイックな生活を送っており、肩に力を入れまくって生きている感じがした(実際にそうかは分からないが、少なくとも私はそう感じた)。でも、それが故、6cmもあった腫瘍が少し縮小し、腹水が消えるという快挙をなしえたのだと思う。
しかし今思うのは、一瞬矛盾するように見えるが、肩の力を抜くこと、入れること、両方必要だということである。やはり主人が言うように、ガンはやっかいな相手なので、真剣勝負をしないと勝てないと思う。よってベースは肩の力を入れてがんばる生活だと思うのだが、だからといって今までの私のやり方ではだめだというのも分かってきた。要は常に肩に力を入れて突っ走るばかりで、ゆえに時々息切れしてしまい、「肩の力の抜きどころ」が分かっていなかったのが問題だったと思った。まさにその点をいろいろな方が指摘してくださったのだと思う。言葉で説明するのは難しいが、なんとなくその「肩の力の抜きどころ」が分かった気がしている。なぜならものすごく今すっきりした気持ちになれているからだ。
腸閉塞の手術を受け人工肛門になり、PET検査では腫瘍が5つある事実を突きつけられ、医者からは大手術をするよう勧められ・・・と、8ヶ月間努力したにもかかわらずなかなか思うような良い結果に結びついてない焦りから、最近情緒不安定になっている感は否めないが、よく考えたらまだ闘病生活を始めてたったの8ヶ月ではないか。昔に立ち返って考えてみると、そもそも3ヵ年計画でやってきたわけだから、まだ走り始めたばかりなのだ。よって3年という長期スパンで考えれば、山あり谷ありのたまたま今谷にいるだけであるから、もう少ししたら谷から這い上がれるはずだ。そう考えたら気が楽になった。谷に落ちたときは這い上がった先の山を考える・・・この基本の考え方を忘れていた・・・(^^;)。
それから上ではガンを敵視する書き方になっていたが、これも初心に立ち返れば、ガンは敵ではなくむしろ味方なのであった(^^;)。なぜならガンはありがたいメッセンジャーなのだから。だから憎むどころか、逆に感謝に値する存在なのだ。どうもこういうことをつい忘れてしまう。ちなみに誤解のないように言っておくが、私は過去も現在もガンを憎んだことは一度もない。なぜならガンになった直後にこの考え方(=ガンはメッセンジャーであるという考え)をマスターしていたからである。よって憎んではいないのだが、しかし感謝するということをつい忘れてしまっていた・・・。忘れていたということは、恐らくまだ私の中に「ガンに感謝する」というところまで気持ちが到達していないのだと思う。そこが今の私に不足している部分なのであろう。そしてこうしてブログに書きながら、実は私自身に注意喚起しているのである。
今日のブログの内容は、はっきりいって自分に対する注意喚起及びメッセージになってしまった。情緒不安定な状態から抜け出すためにも、ちょっとこの辺で頭の整理をしておきたいと思ったので、今日は自分のためにブログスペースを使うことにした。おかげで考えがなんとなくまとまり、気持ちもすっきりしてきた。また明日からがんばるぞお!
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