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人工肛門(ストーマ)を違った角度から考えてみる

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昨晩は案の定、ブログを書き終えてからの闘いが長かった・・・。結局痛みがかなり激しかったので大泣きして悩んだ挙句オプソを飲むことにしたのだが、1包(5ml)では効かずさらにもう1包飲んだ。そしてようやく痛みが落ち着いてきたので夜中の3時過ぎてからエネマ(コーヒー浣腸)をやって(でも排便はゼロ!(涙))、寝たのは明け方の4時半であった・・・。

今日も相変わらずの下痢便秘状態だが、痛み的には昨日とは段違いに軽く、比較的楽に過ごせた。

さて今日は、人工肛門(ストーマ)を違った角度から考えてみたいと思う。今まで私は、「人工肛門は腸閉塞を起こしたときにとられるやむをえない措置」、つまりそうしないと便が出なくて死んでしまう・・・という場合で、選択権のない状態だと考えていた。ところが、先日リンパ球療法のSクリニックに行ったとき、痛みの緩和目的でのストーマ設置を検討してみてはどうかと提案されたのだ。そういう角度からストーマを考えたことはなかったので、私にとってすごく新鮮な提案だった。だからといって、今のこの状況で自ら進んでストーマーになろうとは思わないが、なるほどそういう考え方もあるなあと思ったので、これを読んでいる直腸がんの人の参考になればと思い、今日はこの話をすることにした。

ハンドル名「無」さんの9月30日のコメントに、ストーマーになられたご家族が、痛みから解放され、外出もできるようになり、笑顔も食欲も戻ったと書いてあった。確かにそういう場合もあるかもしれない。しかし、このご家族の場合は、直腸がんの手術で腫瘍もとりあえず切除した話なのではなかろうかと思うのである。私のストーマーに対する理解がまだ浅いのでよく分からないが、人工肛門は単純に今まであった肛門からではなく、おなかのあたりに出口を造ってそこから便やガスを排出させるようにするものであるので、私のようにガンが直腸にある限り出口の場所を変えたところであまり状況は変わらないような気がするのだが、その辺はどうなのであろうか???それとも人工肛門にすることは同時に腸を一部切除、すなわち腫瘍も取り去るということを意味しているのだろうか?というのも、ストーマーのガン仲間の話によると、やはり彼女の場合も腸にガンがあるから仙骨付近が痛むというのである。よって彼女も痛み止めを定期的に服用している。

そういう意味ではストーマをつけているということは、移動式トイレをいつも身に着けていることと同じであるので、トイレに一日中こもっている必要はなくなり、外出は楽になるかもしれない。しかし、ストーマにしたらしたで、その人にしか分からない苦労なども当然あるはずだし、よって今の私の状況においては、ストーマにすることを自分から言い出す勇気など、到底出てこない。確かに排便で毎日つらい思いはしているが、やはり心のどこかで「あともう少しの辛抱」と思い続けているのだと思う。そうやってかなりの月日が経ってしまったのだが、しかし排便困難の内容も過去とは変わってきているし、本当にあともう少しの辛抱、あともう一歩のところまできていると私は思うのである。

一度ストーマーにしてしまったら後戻りはできない。そしてしたところで、確実に痛みや排便困難から解放されるという保証もない。失敗したときの代償があまりにも大きすぎる。ただ、もし仮にこの状況があまりにも長く続き、そして人口肛門にすることで本当にこの苦痛から解放されるのであれば、それを前向きに検討するときが来るかもしれない。

話は少しそれるが、今回の件でSクリニックに対する印象がかなり変わった。今まではリンパ球の注入さえしてくれればよく、それ以上のものは特に求めていなかった。そして向こうも患者に対して、リンパ球の注入だけしてあげればよく、その人の治療方針に深く関与するつもりなど毛頭ないとばかり思っていた。しかし今回、こちらから聞いたわけでもないのに、私の予約が入っていた日に会議を開いて、なんとか私の痛みや苦しみを軽減する方法はないだろうか、といろいろと検討してくれたらしいのだ。そして出てきたアイディアが本件と放射線療法であったのだ。というわけで、きちんと患者の病気や生活のことも考えてくれているということが分かり、Sクリニックに対する印象がぐーんとアップ!看護師さんたちもとてもいい方たちで、距離が一気に縮まった感じがした(^^)。

最後に、もしストーマーの方で、今の私の状況を打破できるアドバイスなどお持ちであれば、ぜひ掲示板のほうにお書きいただければと思う。上に、私の疑問は書いてあるが、ストーマにすることによってなぜ排便が楽になるのか、痛みが緩和されるのか、お教えいただければありがたい。もちろん私もSクリニックに次回行ったとき聞いてみるつもりだが、やはり実際の経験者の話に勝るものはないと思うからである。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!