<写真の説明>カラーセラピーの私の作品。4歳の甥が描いた絵ではありませんよ(笑)。
退院を明日に控え、今日はこの1ヶ月の入院生活の思い出に浸りながら荷物をまとめたり準備を進めていました。何度も言いますが、とにかくここ緩和ケアでの入院生活は、私を精神面で成長させてくれた有意義なものでありました。おかげさまで以前コメント欄にいただいた「今を生きる」ということを、今のこの瞬間を大切にして「人生を愉しむ」ということをようやく理解できたような気がします。今でも思い出すだけで笑ってしまうのですが、私の微笑ましいエピソードを今日は一つご紹介いたしましょう。
ちなみにカラーセラピーというのは、私も誤解していたのですが、よく少年犯罪などで少年に絵を描かせて精神状態を把握する、ああいうのとは違います。あれはたぶんカテゴリーとしてはカウンセリングになるのでしょうね。よく考えたらそのはずで、「セラピー」というのは「療法」という意味ですから、音楽療法が好きな音楽を聴いてただリラックスするのと同様に、カラーセラピー=色療法は、色塗りを楽しんでリラックスするものなのです。紙にすでに絵が描かれていて、いろいろな絵(風景画や天使の絵、お花の絵、果物の絵、SL機関車の絵など)から好きな絵を選んで、あとは各人自由に色をつけていくだけのものなのですが、これが予想外に楽しくて、すっかり私は夢中になって塗り絵に集中していました。
カラーセラピーの私以外の参加者は2人の男性のご老人で、一人はかなり病状が進んだ60台後半の方、もう一人は痴呆症も患っているかなりご高齢の方でした。付き添いの方がおっしゃるには、そのご老人は人間観察が大好きで、とにかく人を見てはニコニコしているのだそうです。昔地理学の大学教授だったことから、付き添いの方が地球儀の絵がいいんじゃないかと選んだのですが、いくら付き添いの方やボランティアの方が塗り絵を促してもまったく興味を示さず、ずっとニコニコしていました。あまりにも笑顔が素敵なので、私までつられてニコニコしていました。そしてそのご老人が地球儀に緑の線を一本引いたときは拍手喝采でした。
もう一つおもしろいのは、写真でお分かりのように、どう見ても幼稚園児の塗り絵にしか見えない私の作品を見て、みなさんが「プロの絵みたいねー。絵かなにか今までやっていらしたの?」と本気で聞いてきたことでした。地球儀に線を一本引いただけで拍手喝采する世界ですので、私のレベルだとプロ級になってもおかしくないかもしれません(笑)。
このように今までの私からは信じられない世界で時間を過ごしたのですが、その時間がとても心地よく、よっていやに思うどころか、私は心から楽しみリラックスできたのです!このような方たちの中で私は塗り絵をして、ゆったりとして時間を過ごし、ふとすると大げさに感じることもあるみなさんとの会話を楽しんでいたのです。なんと微笑ましい光景ではありませんか。
私に対してビジネスウーマンのイメージが強い方は、恐らくこんな私の姿は想像できないと思います。自分自身、いまだに驚いている部分があります。でもこれも正真正銘私なので、ただ単に今まではこういう部分の私を発見できていなかっただけのことなのだと思います。ですから今回新たな自分を発見できたことがものすごくうれしいのです。本当に緩和ケアには感謝しています。ありがとう!
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