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洗脳、大いに結構じゃないか

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<写真の説明>幼馴染がくれたびわの葉。葉の色が濃くて肉厚の上物だ

ストーマになって失ったものは細かいものも入れればいくつかあるが、その中でも私が一番大きな損失と思っているものーーーそれはお風呂/温泉好きの私を失ってしまったことである。私は温泉が大好きで、温泉に行くと最低3回は入り、時間さえ許せば何時間でも入っていたいという人であった。家のお風呂も大好きで、私にとってお風呂は最高のリラクゼーションの場であり、それこそ時間さえあれば一日に半身浴を何度もするぐらいお風呂好きであった。それがストーマになって以来、すっかりお風呂嫌いになってしまった。パウチをはずして入れば落ち着かないし、パウチをしたまま入ったら入ったでどうしても少しフランジが溶けてしまうのでその溶けた部分が痒くなるため、すっかりお風呂は気持ちよくないものになってしまったのだ。お風呂は血行を促進するので、お風呂嫌いになってしまったことは治療においてもマイナスだ。そして日本人としてはとても悲しいことである。

よって今日お風呂に入るとき、そんなふうになってしまった自分を嘆いていたのだが、ストーマになってしまったものはしょうがない。いくら嘆いてもどうしようもないので、持ち前の前向き思考でお風呂に浸かりながら楽しいことを考えることにした。リビングのインテリアをどうしようかとか、会社が大きくなったらああしたい/こうしたいとか、そういうことに思いをめぐらせていたらあっという間に時間が過ぎ、落ち込んでいた自分もどこかへ飛んで行った。マインドコントロール大成功だ(^^)。

マインドコントロールといえば、先日銀行をたらい回しにされた日に前向き思考の話をブログに書いたら、「最近の私は洗脳するような言動が多い」というコメントがあったが、私は洗脳大いに結構だと思っている。人生は山あり谷ありで、谷を経験しないで人生を全うすることなど100%不可能に近い。よって谷を避けることができないのであれば、いかにこの谷を早く通過するか、谷底を深くしないで過ごせるかが、その人の人生を大きく左右すると思うのである。そして谷を早く上手に乗り越える鍵となるのが、前向き思考、ポジティブシンキングといったマインドコントロール、即ち洗脳だ。山にいるときはもちろんそんなことをしなくても十分何をやっても幸せで楽しいので必要ない。しかし谷にいるときは大いに洗脳を活用すべきで、上手に自分を洗脳することができた人が、ダメージを最小限にし早く谷を脱することができるのだと思う。

人生山あり谷ありだなんてことを考えていたら、ふと私はがんセンターで読んだモルヒネによる痛みのコントロールの本の中に描かれていた図を思い出した。そして痛みのコントロールは人生におけるマインドコントロールに非常に似ていると思った。その図は上下にぐにゃぐにゃ曲がったモルヒネの血中濃度を示す波線の上に、痛みの境界線が横に1本描かれているものであった。血中濃度がその線より上になれば痛くない状態、濃度が下がって線より下になると痛い状態であることを意味している。よってモルヒネの血中濃度を常にその横線より上にあるように継続投与することで痛みをコントロールすることができ、さらにはその上下を小さくする、つまり少ないモルヒネの量で済むのだという説明であった。昔なぜモルヒネ中毒になったかというと、継続投与せずに線を下回ったら投与する、つまり痛くなったら投与するという方法をとっていたため、上下の変動が激しく、かなり下にいってしまったものを線より上に持っていくには大量のモルヒネが必要になるため、それで中毒になってしまったということであった。しかし今は痛みを感じる前に投与するので、少ない量でコントロールが可能となり、よって現在のやり方ではモルヒネ中毒になることはないということであった。

話が少々それたが、この波線を人生の山と谷に置き換え、線より上にいるときは幸せな状態、下にいるときを不幸せな状態とすると、モルヒネは前向き思考に値する。モルヒネを上手に利用する、つまり前向き思考を上手に利用して横の線をなるべく下に持って行き谷を小さくすれば、横線より下にある谷の線が短くなるのでより早く谷から脱することができ、比較的長い間山の頂上かもしくは山に登る途中にいられるようになるのである。

このように人は波線と横の線という人生図を構成するものを2つ持っており、2つの組み合わせによってその人の幸せ度が変化すると私は思っている。ちなみに波線は自分の力では変えることのできない運命線のようなものである。そして元々生まれながらにしてそれぞれの人が持つ山と谷の大きさには違いがあり、上下がなだらかな人もいれば、ものすごい落差がある人もいる。しかし波線をたとえ変更することができなくても、人が持っている図形はこれだけではない。もう一つ、横に1本の線を持っているのである。そしてこの横線の位置をどこに持っていくかは、その人の気の持ちようでいくらでも上下させることができるのである。だから私は、大いにマインドコントロールを活用してその線を下に持っていくようにすることが重要だと思っている。自分が谷にいるとき、つまり困難に陥っているときや悩んでいるときは、洗脳をいくらやってもいいと思う。そうすることで少しでも早く谷から這い上がれるのであれば、大いに結構ではないか。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!