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毎朝いちごがある生活っていいね。

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<写真の説明>築地の場外市場で買ってきたいちご

「毎朝いちごがある生活っていいね。」

主人のこの言葉によって急に我が家の冷蔵庫はいちごが溢れるようになった(笑)。私は玄米菜食をやっているが、一部ローフードも取り入れているので、毎日朝食にはお皿一杯に盛られたフルーツを食べている。もちろん基本的には旬の無農薬あるいは有機の果物だ。よってここしばらくは私はりんごと夏みかんを主に食べていたが、主人が酸っぱい果物が苦手なので主人が食べられる果物がなくて困っていた。そしてようやく主人も大好きないちごが旬になったので、いちごも頻繁に食べるようになっていた。しかしそんなに冷蔵庫に溢れるほどではなく、なくなったら買うという感じであった。ところが「毎朝いちごがある生活っていいね。」のこの主人の一言で、冷蔵庫だけでなく私の頭の中までいちごだらけになったのである。

よって当然ながら私の今日の散歩の目的はいちごの購入であった。そして今朝母から何か必要なものはないかという電話をもらったので、母にこの話をし、いちごをリクエストした。従って私と母は果物不足になりがちな主人に果物を食べさせたいという思いと、少しでも快適な朝を迎えさせてあげたいという思いから、いちごを切らしてはいけないという使命感で二人とも燃えていた。もちろんいちごなどどこにでも売っているからなんでもよければ切らすということはありえないのだが、そこは二人とも主婦、当然少しでも安くていいものを求めようとするので、気合が必要になってくるのである。母はいつもうちに来るとき都営大江戸線の築地市場駅から市場の脇を通ってくるのだが、母からの事前情報によると、場外市場に新しく出店した八百屋のいちごがすごく安いということだったので、二人ともそこで買うのを第一目標とした。しかし問題なのは市場なので早くに店が閉まってしまうことだ。ちょうど母がうちに来る3時ぐらいには店じまいしてしまうことが多い。しかしこれまた難しいのは必ず3時には閉めるというわけではなく、その日の売れ行きによって多少閉店時間も変わり、閉店間際にうまく行くことができれば、特にいちごは持たないので安く売ることが多い。よって余裕を持っていって確実に買うか、それともぎりぎりにいって安くなっているのを買うかは一種の賭けであった。しかしとにかく本日の最重要事項としては「必ずいちごをゲットすること」であり、もしかしたら母は閉店に間に合わないかもしれなかったので、とりあえず今日のところは私は早めに行って確実に買っておくほうを選んだ。しかもちょうど体調も天気もよく散歩にも一番いい時間帯だった。

予定通りその八百屋でいちごを買い(粒は小さかったのでB級品だったが2パックで400円だった!)家に帰る途中、聖路加ガーデンの近くに八百屋のトラックが店を広げていた。当然ながら私はいちごの値段をチェックするためにトラックに近寄った。そしたらなんとものすごく粒がそろっていてりっぱないちごが2パックで450円で売っていた。50円の差だったら断然こっちのほうがよかった!!ふえーん。おじさんに聞いたら毎日ここで売っているということなので、次回はここで買うことにしようと思った。

帰宅するとすでに母が先に来ていた。そしてもしやもしや・・・と思ったら・・・やっぱり母も同じところでたくさん買ってきていた!!どうやら母も絶対にいちごを買わないとと思って、今日はいつもより早くに出てきたらしい。すっかり主人の一言で振り回された私たちだが、こんなにも大事にされている主人は幸せ者である。

ところでこれを読んで心配に思われている方も多いと思う。非公開コメントでも複数の方からご心配いただいたが、その辺の八百屋で買ったイチゴを食べて大丈夫なのか?ということである。しかもある友人からのコメントには、特にいちごは他の果物以上に農薬を必要とする果物なので、あまり食べないほうがいいのではないかというアドバイスが書かれてあった。

いやはやまったくその通りで、当然私は無農薬のイチゴを食べなくてはならない。しかし今日の日中まで実は無農薬イチゴを手に入れることは無理なのだとあきらめていたのである。なぜなら主人がいちごを買おうとネットで探したらなかったと言ったので、私は主人のその言葉を信じていたからである。

次に、それじゃ無農薬のものが手に入らないのであれば、イチゴを食べなければいいのでは、という意見があると思う。そこは私もいつも迷うところなのだが、無農薬や有機のものでないのならまったく食べないほうがいいのか、それとも旬のときだけは多少多めにみて食べてもいいのか・・・。そして今回のいちごに関しては私は後者を選んだ。なぜなら私は野菜も果物もそうだが、有機や無農薬ということも大事にしているが、同時に「旬」ということも大事にしているからである。よって有機じゃないからといって排除してしまうと、他に食べるものがなくなってしまう場合があり、特に果物は選択肢が少ないのでそうなってしまうことが多い。従って今回のイチゴに関しては無農薬ではないことに目をつむることにした。というか実際にはあまり細かいことを考えておらず、とにかく主人のためにいちごを買いたいという気持ちのほうが強く、そしてつい目の前にたくさんのいちごがあるものだから私も食べる結果となった・・・というのが実情である。

しかし先にも書いたが今日友人から、いちごは最も多く農薬を必要とする果物だからあまり食べていないというコメントが入っていたので、私も気持ちを入れ替えネットで調べてみたのだ。そしたらちゃんと無農薬のいちごが売っているではないか!以前はあれほど有機とかにこだわってやってくれていたのに、最近少し私が調子が良くなってきたものだから、主人も少し気が緩んできているようである。しかし実際にはよくなっているように「見える」だけで、数値的には何一つ良くなっていないのだから、私も含め勘違いしないようにしなければならない。ガンが小さくなって痛みが軽くなってモルヒネの量を減らせるようになって初めて「良くなっている」と言えるのであるから。よって今回は主人の手抜きを先ほど注意しておいた。せっかく聖路加ガーデンの前の安いイチゴを見つけたが、利用はしないことになりそうである。

とにかくそんなわけで早速無農薬イチゴをさっき注文したが、いやはやその値段の高さにびっくりだ。通常の有機野菜の感覚とは大違いであった。野菜は有機になっても3倍ぐらいだが、6倍の値段になっていた。つまり贈答用でなければ1パック普通だったら500円前後で買えるところを、1パック3000円ぐらいで買うようなものだ。さすがにビビッったが食材にはお金を惜しまないことにしているので購入することにした。でもさすがにここまで高いイチゴだと、今までのようにパクパクとは食べられないかもしれない(^^;)。一粒一粒大事に味わって食べるようになるであろう。無農薬のイチゴ、どんな味か楽しみだ(^^)。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!