西洋医学に見放され、余命1年の宣告にも負けず、自己治癒力で勝負しています
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大手術を主治医から提案され大いに悩む

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昨日は退院後の1回目の外来で聖路加病院に行った。先日東京女子医大で受けたPET検査の結果は、肺と肝臓に転移はないものの、腫瘍が5箇所あることが判明。直腸のところにある大きな腫瘍の他に、4箇所小さな腫瘍がはっきりと映っていた。すでに腹膜やリンパ節に転移があることは聞いていたので今更驚くことではないのだが、やはりこうはっきり現実を突きつけられると多少ショックなものである。外来の診察自体はこれといって特筆すべきことはない。いわゆる退院後2週間のお決まりの経過観察で、「体調はいかがですか?」「ええ、特に問題ありません」の30秒ぐらいで終わってしまうものだからだ。

それよりも現在私を大いに悩ませているのは、主治医から提案されている原発巣切除の大手術である。実は入院中にすでに提案されており、昨日の外来でも当然その話になった。まだストーマ手術の傷が覚めやらないうちに次の大手術の話をされたものだから、入院中はかなり抵抗感を示していたのだが、現在ではかなり冷静に考えられるようになり、現状手術を受けるかどうかは50/50といったところであろうか。

主治医が手術を勧める理由は、もちろん根治の可能性に賭けるということである。目の前に腫瘍があるから切る!というなんとも外科医らしい考えだ。主治医自身、根治の可能性はかなり低いと言っていて、20%ぐらいと言っている。それでも可能性がゼロでない限り挑戦してみるべきだというのが彼の信念である。なぜなら、西洋医学の世界では当然このまま放置していれば根治することはないわけだから、手術しない=生きる努力をしない という図式が成立する。普通は抗がん剤をやるのだが、私がそれだけはもう二度としないというのを主治医も知っているため、西洋医学の医者としては手術を勧めるしか他に方法がないのだ。しかも、普通は私の状況(=ステージ4の末期がん)であれば、抗がん剤をやらない場合は何も手立てがないのだが(ただし、やったところで延命にしかならない。直腸がんに投与する抗がん剤で根治目的のものは未開発というのが現実なのである)、幸いストーマ手術の際にお腹の中を見たときに腫瘍の切除が可能だと判断できたので、手術をすることに一筋の光を見出したのだと思う。

私はもちろん手術で根治できるとは思っていない。むしろ手術に期待しているのは、大きな腫瘍がなくなることで痛みが軽減されること、痛みが軽減されれば免疫力も上がるし、薬の量も減らせる。また大きな腫瘍を自然治癒力で縮小させていくのはかなり困難であるが、それさえなくなればあとは小さな腫瘍だけになるので、一気に免疫力でガンを退治することが可能であると考えているのである。

これがうまくいった場合のストーリーであるが、一方、かなりの大手術なので、術後の合併症などといったリスクがつきまとう。せっかく腫瘍を切除しても、すぐに再発すれば元も子もない。大きな犠牲を払った割には、ほんの少しの時間稼ぎにしかならなかったということになってしまう可能性は大いにある。リンパ球療法のSクリニックの医師がちょうど消化器専門の医師だったので、先日採血に行った際にセカンドオピニオンというほどではないが、少しこれについて意見を聞いてみた。その医師によると、肺や肝臓に転移がなく、しかも私が若くて体力があるからできる大手術なのだそうだ。転移があったり高齢であったりしたらかなり危険なので、絶対にやらない手術だということである。しかも今回手術をやるとしたら、直腸にある大きな腫瘍だけでなく、子宮にも浸潤しているので子宮もとることになるし、またもしかしたら膀胱も・・・ということである。そういうのを骨盤内全摘出手術というのだそうだが、まさに文字通り骨盤内にある臓器のほとんどをとってしまう手術である。人間の臓器で不要なものは一つもないと私は思っているので、とらなければどうしようもないというのではない限り、むやみに手術でとってしまうことにはかなりの抵抗感がある。実際、そういうことが術後の合併症その他の問題を引き起こしているのだ。

まあそんなわけで、今週と来週はセカンドオピニオンで複数の病院を回る予定になっている。ただでさえ忙しいのに、銀歯がとれて歯医者には行かなくてはならないは、さらに昨日は歯がかけてしまうは、そして今日新たに別の歯の銀歯もとれてしまうはで、踏んだり蹴ったりである。2日連続歯に関する問題が起きたのは、なんだかとても不吉な感じがする。ことごとく今月はついていない月なのか?それともかえって一気に歯の問題が片付くことでラッキーだと言えるのか?どちらなのかは分からないが、今週及び来週は病院通いの2週間になることだけは間違いない。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!