西洋医学に見放され、余命1年の宣告にも負けず、自己治癒力で勝負しています
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見せかけの健康

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友人が作ってくれた全粒粉のパン オ ノワと干しあんずの丸パンtablebreads.jpg


今日は主人は久しぶりに友人と飲みに行っている。外に部屋を借りて仕事に集中できるようになったのも、今日のように外出して夜遅く帰れるようになったのも、すべて私の体調が良くなってきたおかげである。私の両親も同様で、前はいつ私の体調が悪くなりお呼びがかかるか分からなかったので、おちおち遠出することもできず、趣味の山登りを自粛せざるを得ない状況であったが、最近はまあまず大丈夫であろうという安心感から、さすがに長期は無理だが1泊2日ぐらいの近場の旅行ぐらいなら可能になった。このように私の体調さえ良ければ周りのみんなの生活にゆとりが生まれるのである。もちろん家族だけではない。張本人である私自身の生活もかなりゆとりが出てきた。

今までのあの苦しかった生活を思えば、今のこの状況は奇跡的である。よって私もこの状況を喜ぶと同時に、すっかり体調が良くなったものと思っていた。しかし今日ふと思った。本当に私の体調は良くなったのであろうかと。確かに痛みは軽く、食欲もあり、その分気分も良く、前のように一日中ベッドに泣きながら寝ていることもない。しかしよく考えてみると、以前だって痛みさえなかったら元気だったはずだ。痛みさえなければ散歩にも出ていたし、スクワットもやれたし、逆立ちまでできていた・・・(むしろ今はストーマの袋がぶらさがっているので逆立ちはできなくなった(^^;))。よくそういうふうにブログにも書いていたし、口を開けば「この痛みさえなければなあ」と言っていた。

よって私が思うのは、今体調が良いように感じているが、実際には単に痛みがモルヒネによってコントロールされているだけのことだと思うのである。腸閉塞で入院する直前は便もガスも出なくて最高に不健康な時代であったが、それ以前の便がきちんと出ていた時代は、痛みさえなければ本当に元気だったので、要するになんら今と変わりがなかったと思うのである。従って、特別に体調が良くなったということではないと思うのである。モルヒネをたくさん飲めば痛みは確かになくなる。でもそれは見せかけの健康だ。やはり真の健康とは、薬に頼らず食事と睡眠と排泄がきちんとできることである。その点では結局モルヒネによって私の食欲と睡眠は確保されており、酸化マグネシウム(緩下剤)によって排泄が確保されているから、真の健康とは言えない。

急に最終ゴールを持ち出し、それと比較して今はまだ不健康だというのは無理な話だということは分かっている。しかし私が言いたいのは、ここ最近手綱が緩んできているのも、この見せかけの健康によって順調に回復していると勘違いしていることが原因なのではないかと感じたので、自分に注意喚起する意味もあって、この件について少々じっくり考えてみたというわけだ。まだまだ私は病気なのである。治療が必要なのである。よってゴールを目指しまだまだがんばっていかなければならないのである。

しかし、とは言いつつも、痛みをコントロールできるようになっただけでも大前進だと思う。緩和ケアにお世話になるようになってからかなり生活改善したとはいえ、今でもそうだがこの痛みのコントロールだけは最後の砦である。どうしても痛みの問題だけは常に存在し、完全に取り去ることは不可能なようだ。だからその中で一日を通じまあまあ痛みを感じることなく過ごせるようになってきたというのは、ある意味回復といえるのかもしれない。いや、回復というから間違うのだ。これは単なる改善だ。よって正確には、生活状況の改善はしたけれども、体調は回復していないということになろうか。

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!