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血管内治療の可能性を探る

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昨日Sクリニックの待合室で血管内治療に関する本を読んだ。診察に呼ばれるまでのほんの少しの時間だったのでちょっとしか読めなかったが、私はその治療に非常に興味を持った。なぜなら血管内治療を痛みの治療として利用することを思いついたからである。よって今日も相変わらず副作用がきつく、さらに軽い頭痛まで出てきてつらかったが、眠気と嘔気と戦いながら明日の緩和ケアの外来までにある程度の知識をつけておきたかったので、がんばって血管内治療のリサーチをした。

血管内治療とは血管にカテーテルを入れ、血管内部からいろいろな治療を施すもので、今までは外科手術として用いられていたが、最近は内科的な治療としても用いられるようになってきた。足や太ももの付け根などから動脈にカテーテルを挿入するだけの簡単な手術なので、開腹や開頭手術ができない/したくない患者さんに最適で、脳外科や循環器系の分野で主に行われてきたが、最近ではがん治療にも利用されるようになってきた。外科的には、ガンの栄養補給路である新生血管に詰め物などをすることでがん細胞に栄養が行かないようにし、がん細胞を死に追いやるというものである。そして内科的には、経口投与に代わる新たな抗がん剤の投与方法として近年利用されてきている。血管を通じて腫瘍まで直接行き、カテーテルから局所的に投薬できるため、経口投与のように抗がん剤が全身に回ることはないため副作用も劇的に少なくて済み、そういった面でも注目されてきているようである。

しかし私はもちろん抗がん剤を投与する気はさらさらないので、あくまでも血管内治療に期待するのは外科的なものである。ガンの縮小により少しでも痛みが軽減することに期待しているのである。しかし今日のリサーチでは、そもそも血管内治療自体の情報が少ない上に、私のような痛み緩和目的で行っている例はなかったので現在のところはなんとも言えない。副作用や合併症などのリスクに関する情報もほとんど見当たらなかった。確かこの血管内治療に関しては以前にどなたかがコメント欄に書いてくれていたと思うが、そのときに紹介されていたクリニックのHPを今日見たら、先日TVで紹介されたことで全国から患者さん及び問い合わせが殺到し、残念なことに現在新規受付はしていないという掲示が出ていた。実は母もそのTVを見て私にこの血管内治療を検討してはどうかと勧めてきたので、この治療は高度な技術を必要とすることからも、もし血管内治療をするなら奥野医師がいいなと思っていたので、新規受付中止はとてもショックだった。

とにかく情報が少ないので、今日のところは血管内治療に関する概要をつかむだけにとどまった。明日緩和ケアに相談してみようと思うが、基本的には抗がん剤投与のための治療として利用されているようなので、私が期待しているような治療としてやってもらえるかどうかは分からない。それにそもそも昨日の時点で期待薄だと感じたのは、Sクリニックの医師に「血管内治療を痛みの軽減として利用できないか」と私が聞いたところ、「ああ、そう言われてみればそれも可能かもしれないですね」などと言っていたからである。文字のごとくあくまでも血管内治療は「がん治療」としての利用しか頭にないので、ペインクリニック的な利用法を思いつかないのであろう。本当はこういうことを医者から提案してもらいたいのだが、そこまで期待するのは無理というものなのであろうか・・・?

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著者プロフィール

みづき
1970年東京生まれ、女性。既婚。子供はなし。米国シリコンバレーのIT企業のCFO、および日本のコンサルティング企業の役員としてそれぞれ在職中。2006年1月、米国西海岸(シリコンバレー)在住中に癌を告知され、急遽帰国しました。現在は東京・新富町(築地の近く)の自宅にて末期直腸癌(ステージⅣ)で闘病中です。
この写真は、2005年12月8日、サンフランシスコのお世話になっている弁護士事務所のクリスマスパーティに出席したときのもの。これが最後の飲み会でした・・・。お酒をこよなく愛した私も、お正月以来一滴も口にしていません・・・。また飲める日が来ると信じてがんばります!