SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のミクシィがマザーズに上場、時価総額2000億円の企業になったそうな。実はこのニュースには私も主人も少々複雑な思いがある。なぜならほぼ同時期にSNSの開発に着手していたからだ。ちょうどSNSが注目され始めた2004年、ちょうど私たちはシリコンバレーにいた。そしてその頃はミクシィよりもむしろグリーのほうがSNS界ではリードしていた。それがこの2年半であれよあれよという間にミクシィがトップに躍り出て、今では独走状態だ。もちろんわが社が仮にSNSを世に送り出していたとしても、ミクシィのようになっていたとは限らない。しかし、その「可能性」は少なくともあったわけだ(笑)。
時価総額2000億円企業になったら、間違いなく億万長者になれるし当然うれしい。やはり自分で会社をやっている以上、誰もがそれを夢見てやっているわけだから。SNS開発が中止となったのは私の病気だけが原因ではないが、でも少なくとも私の病気のせいで、ビジネスにしわ寄せが来ていることは間違いない。事実、主人は仕事をストップして私の看病に専念している状況である。よって私たちが億万長者になる日も、私の病気が治るまでお預けとなってしまった(苦笑)。
しかし、これは負け惜しみでもなんでもなく、今の私は、心からこのタイミングでガンになってよかったと思っている。もちろん一生ガンにならずに過ごせるのであればそれに越したことはない。しかし、いずれガンになるときが来るのであれば、まさにこのタイミングでなったことは、後々のことを考えると完璧なタイミングであったと思うのだ。
そう思う一つの理由は、まさに「時価総額2000億円より大切なもの」を得たことにある。改めて言うのも照れくさいが、いろいろな意味での「愛」に気づき、得ることができたからだ。夫婦愛、家族愛、人間愛等々。以前ブログにも書いたが、ガンになる前の私は仕事人間で、考え方もアメリカの物質主義に侵され、ギスギスしていた感じがする。今日掲載した写真(クリックで拡大)は、主人と夜の隅田川を散歩をしていたときに撮った勝鬨橋だが、主人といろいろな話をしながらする小一時間の散歩はとても楽しいもので、ああこういうのが幸せなのかなあと思ったりするのである。
この時期にガンになってよかったと思う次なる理由は、家族の協力体制である。主人、両親、義母を含め、まさにこの人々の協力なしには私の闘病生活は成立しない。よってそれぞれの親が元気な今のうちにガンになったことは、私にとっては非常にラッキーなことであった。
3つ目の理由は、まだわが社がブレークしていなかったことだ(^^;)。それこそ万が一2000億円企業などになっていたら、主人は忙しくて、私の看病どころではなかったであろう。お金はたくさんあるからその分ヘルパーさんを雇えていたかもしれないが、やはり愛ある看病とそうでないのとでは、治療効果に大きな差が出て来ると思うのである。
そして最後の理由は、ガンを克服した暁には、今まで以上の健康を手に入れることができるので、その後寿命で死ぬまで(今36歳だからあと40-50年)病気知らずで生きていけることだ。これはガンを克服した人がみな口をそろえて言っていることである。
以上のことから、このタイミングでガンになってよかったと思うのである。そしてガンを克服したら、また億万長者目指して再スタートを切ればよいのだ!でもそんなんじゃ、またガンになっちゃうかな!!??(^^;)
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